Evernote

10年くらい前でしょうか。現役だった頃、Evernoteを講義で使っていました。いろんな人がEvernoteの良さを発信していて、使い勝手が良さそうだなと思って導入しました。

 

もちろんPowerPointで講義資料を作成し、それを映し出して講義を進めるということはやっていたのですが、Evernoteの方がなんだか扱いやすかったのを覚えています。それに、あのグリーンのゾウさんのアイコンがなんとも言えず可愛くておしゃれで、Evernoteを使っているだけで何か人と違ってかっこいいと思っていました。ちょうどアップル製品のアップルのマークのような感じです。(余談ですが、このブログがlifewithgreensとなっている理由は、緑色を見るとなんだか心が落ち着いたり、フレッシュになったりするからです。)

 

講義を受けていた学生の1人が私がEvernoteを使っているのを見て感銘を受け(?)自分も使いはじめたと後で聞きました。おそらく教授陣もPowerPointが主流で、Evernoteなど使っている人はいなかったらしいので、余計に印象に残ったのかもしれません。

 

Evernoteの全盛期が続き、いろんな記事も出回って読んだりしていました。いわゆるデジタルかアナログかという文脈でデジタルの一翼を担うEvernoteはかなり人気が高かったように記憶しています。

 

講義ノートだけでなく、研究に使う資料などもEvernoteに保存し、タグ付けして検索結果を大いに活用するなんてことを少しはやっていたのですが、結局保存して安心し、後でキーワードで探したり、検索結果から思いも寄らない発想を得たりできたかと言えば、そこまでは使いこなしていませんでした。

 

そうこうするうちに、定年退職も近づき、私のEvernote熱も下がって、結局放置したまま年月が流れて行きました。

 

先日、YouTubeでアップル信者一億人創出計画というアカウントの動画を見ていたら、いろんなノートアプリについて話が進んでいき、Evernoteにも言及していました。ノートアプリの中には時が経つにつれて採算が取れずにサービスを停止してしまうことがある、デジタルのノートの危険性ということにも注意を払う必要があるというような話でした。Evernoteはサービスは継続しているようですが、無料のバージョンが以前はかなり充実していたのに、最近はほんの少しのノートとフォルダーのみ使えるところまで縮小しているようです。

 

私はデジタルでノートを取るということはあまりしていません。メモもノートも手書きが主流です。論文を執筆するための資料の要点なども全部手書きです。唯一、インターネット上にある面白い記事や言葉などをすぐに書き留めたいときは、MacBookのメモアプリを活用します。また、保存してあるはずの大事な資料がどこに行ったかわからない時は、Macの中を検索する方法で見つけます。フォルダーが増えていくと、本当に迷子になる資料が必ず出てくるので、Macの検索にはずいぶん助けられました。

 

結局今でもEvernoteに戻ろうという気にはなれません。アナログでメモを書いたり、ノートをとったりして、あとは何回も見返す。この見返す作業がとても大事で、いくらメモやノートが増えていっても見返しながら、Indexを自分で作っておけばかなり便利に使えます。それにふと湧いてくる着想はデジタルには馴染みません。やはり紙のノートに記すのが一番です。

 

やっぱりアナログが自分に一番あったノートテイキングだと思っています。